過去のヒヤリ・ハット報告や
事故報告書を分析し、
原因と対策をまとめました。
各項目の内容を理解し、
作業時の安全意識向上に役立ててください。
台車運搬時の注意点
導線について
導線とは、搬入・搬出経路のことです。現場によっては、経路が長くなる場合や複雑になる場合があります。養生作業と同時に、以下の点に注意しながら導線状況を確認しましょう。
1.通路が狭くなっている場合
- 2人で運搬する際は、後ろ向きの人が壁に接触しないよう、台車の舵取りを慎重に行ってください。
- 通路の幅を事前に確認し、台車のサイズや積載物の大きさを考慮して、無理のない運搬計画を立てましょう。
2.天井が低くなっている場合
- 事前に天井の高さと積載物の高さを確認し、衝突の危険がないか確認しましょう。
- 天井が低い箇所では、台車から荷物を降ろし、手運びで通過してください。
3.段差がある場合
- 玄関や廊下など、段差がある箇所では、台車の速度を落とし、慎重に通過してください。
4.曲がり角になっている場合
- 長尺物を運搬する際は、後方が死角になりやすいため、周囲の安全を十分に確認してください。
- 台車に長尺物を積載すると、内輪差が大きくなるため、曲がり角では十分に減速し、大回りするようにしてください。
- 曲がり角の手前で一時停止し、安全確認を徹底しましょう。
スロープでの台車運搬
スロープとは、傾斜になっている場所です。スロープでの台車運搬は、特に注意が必要です。
- 後ろ向きで、常に台車を制御しながら進んでください。
- 前向きで進むと、台車が制御不能になり、転倒する危険性があります。
- 積載物が崩れないように注意してください。
- スロープの角度によっては、積載物が崩れる可能性があります。写真のように不安定な積み方での運搬は避けましょう。
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凸凹箇所での台車運搬
道路の縁石、通路の段差、エレベーターの溝など、凸凹した場所での台車運搬は、荷崩れや転倒の危険性があります。
- わずかな段差でも荷崩れします。
- 手で荷物を支えながら、ゆっくりと台車を操作してください。
- 特に重い荷物を運搬する際は、補助者を配置し、安全を確保してください。
- エレベーターの溝を通過する場合、車輪が溝に挟まると、荷崩れの原因になります。
- または、段差解消プレート(パタンコなど)を使用してください。
- 荷物を持ち上げ、手で支えながらゆっくりと通過してください。
台車の安全な重ね方
台車を重ねる際は、台車の種類や状態によって適切な台数を守り、荷崩れによる事故を防ぎましょう。
重ねる台数の目安
一般的な大きさの台車:5台まで
大型または重量のある台車:4台まで
台車の安全な置き方
台車の置き方を工夫することで、転倒や接触による事故を防ぎましょう。
安全な置き方
使用しない時は、台車を裏返し壁に立てかけてください。ただし、仕上げ材に直接立てかけると傷が付く可能性があるため、直接立てかけないでください。
不安定な場合は、置き方を変えるか、別の場所に移動してください。
また、台車の盗難や第三者の通行の妨げになる可能性があるため台車を一時的に置く場合でも、必ず状況を確認できる担当者を配置してください。
台車に重量物を載せる場合
重量物を載せた後、台車が意図せず動き出し、壁に衝突する可能性があります。
- 台車に重量物を載せる際は、必ず足で台車をしっかりと押さえて作業を行ってください。
- 壁際での作業は避け、十分なスペースを確保してください。
掛け声の注意点
- 必ず相手の目を見て、はっきりと「持ち上げます!」と声をかけてください。相手に作業開始の意思を伝えることが重要です。
- 相手があなたの声を聞き、理解したことを確認してください。相手の反応を見て、アイコンタクトや頷きなどで確認しましょう。
- 「せーの!」などの掛け声をかけ、必ず同時に持ち上げてください。タイミングを合わせることで、安全かつ効率的に作業できます。
- 新人の方は、掛け声に抵抗を感じるかもしれませんが、掛け声は物損事故を防ぐために非常に重要です。必ず行ってください。
- 掛け声をかけることで、周囲の仲間も安心して作業できます。また、掛け声は作業者同士のコミュニケーションを円滑にする効果もあります。
荷物を運ぶときの注意点
ダンボール
ダンボールを2個持つ場合は、右手を上下のダンボールの角に添え、安定させましょう。
- ダンボールは体になるべく引き寄せ、しっかりと抱え込むように持ちましょう。
- 常にダンボールが水平になるように意識しましょう。
- 中身が割れ物や不明な場合、破損する恐れがあるため、慎重に扱いましょう。
衣装ケース
衣装ケースは、通常の場所と狭い場所で持ち方が異なります。
安全に運ぶために、以下の点に注意してください。
通常の場所での運び方
引き出しが不用意に開かないようしっかり押さえてください。ダンボールを運ぶように、両手でしっかりと抱えて運びます。
狭い場所での運び方
引き出しが上向きになるよう、衣装ケースを縦向きにします。狭い場所では、壁や家具にぶつけやすいので、慎重に運びます。
長尺物(2mを超える板材や棒材など)
- 長尺物の運搬は、特に曲がり角や階段で注意が必要です。運搬前に、経路上の障害物や狭い場所を確認してください。
- 特に、曲がり角や階段では、接触する可能性のあるものを事前に移動させます。
- 長尺物は後ろが見えにくいため、旋回時や昇降時は特に注意が必要です。壁や天井にぶつけないよう、常に後ろの空間を意識してください。
- 長尺物の運搬に慣れていない場合や、一人での運搬が困難な場合は、必ず二人以上で行ってください。
コピー機
コピー機は非常に高価な精密機械です。持ち上げる前に適切な箇所を把握してください。持つ場所がわからない場合は必ず現場担当者に確認してください。
- 手で触れて、硬く丈夫な部分をしっかりと持ってください。柔らかい部分や脆い部分を持つと、破損の原因になります。
- 通路の段差やエレベーターの溝など、キャスターが引っかかる可能性がある場所では持ち上げて運んでください。無理に転がすと、コピー機が転倒し、故障や怪我の原因になります。
- コピー機に付いているキャスターを利用して転がして運びます。
エアーキャップで梱包されているもの
エアーキャップで梱包された長尺物や大型物を扱う際は、特に注意が必要です。
- エアーキャップで梱包されていると非常に滑りやすいため、上側をを持つと徐々に滑り落ちる可能性があります。必ず下側をしっかりと持つようにしましょう。
足元確認の重要性
ダンボールや大型什器など、大きな荷物を運ぶ際は、足元が見えにくくなります。
これは、段差につまずいたり、階段で踏み外したりする原因となり、重大な事故につながる可能性があります。
運搬前に、経路上の段差や障害物、階段の位置などを確認し、安全な経路を確保します。また、常に自分の進むべき導線を意識し、障害物がないか確認しながら進んでください。
腰痛予防のための正しい持ち上げ方
重い物を持ち上げる際は、腰に負担がかからないよう、以下の手順を守りましょう。
1.足を肩幅程度に開き、重心を安定させます。
持ち上げる物の正面に立ち、足がしっかりと地面につくようにします。
2.腰を曲げるのではなく、膝をしっかりと曲げて腰を落とします。
背筋は伸ばしたまま、お尻を後ろに突き出すように意識します。
3.持ち上げる物をできるだけ体に近づけます。
物と体の距離が近いほど、腰への負担が軽減されます。
4.背筋を伸ばしたまま、膝の力を使ってゆっくりと立ち上がります。
腰の力ではなく、足の力で持ち上げることを意識します。
5.物を横から持ち上げると、腰に負担がかかりやすくなります。
必ず物の正面に立ち、両手でしっかりと持ち上げます。
梱包状態と配線の注意点
梱包状態の確認
梱包された段ボールなどの内容は外見から判断できない場合があります。形状から蛍光灯と推測できる場合でも、梱包されていると中身を断定することはできません。
このような梱包には、「取扱注意」や「われもの注意」のシールが貼られていることがあります。もし貼られていない場合でも、慎重にゆっくりと持ち上げたり、下ろしたりするようにしましょう。
配線箇所の確認
配線が複雑に絡まっている机や棚が見られます。
机の上に何も置かれていなくても、写真のようにハブなどの機器が隠れていることがあります。机の下や側面を必ず確認するようにしてください。
養生時の注意点
剥がし作業
養生材を剥がす際は、周囲の状況をよく確認し、慎重に行いましょう。
- 養生材の上に物が置かれていないか、必ず確認してください。物を載せたまま養生材を剥がすと、物が落下し、破損や怪我の原因になります。
- 養生材を剥がした後、物を移動させる際は注意が必要です。気が緩み、天井、壁、または第三者に物をぶつけないよう、常に周囲を確認しながら作業してください。
エントランスでの養生材撤去時の注意
ビルや店舗の入口付近の養生作業では、風の強い日は壁に養生材を立て掛けると倒れて第三者に当たったり、傷がついたりする場合があるため、注意が必要です。
- 風の強い日は、養生材を立てかけず、壁に沿わせるなど、倒れないように工夫してください。
マスキングテープ、養生テープ剥がし時の注意
マスキングテープや養生テープを剥がす際は、塗装やクロスへの損傷を防ぐための注意が必要です。
- マスキングテープや養生テープを剥がす際は、必ず付着面の状態を確認してください。
- 塗装面やクロス材に貼ってあるテープを勢いよく剥がすと、塗装が剥がれたり、クロス材が破れたりする可能性があります。
- 塗装面やクロス材に貼ってあるテープは、角度をつけながらゆっくりと剥がすことで、損傷を防ぐことができます。
初心者向けガイド
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